>とうふさん
どうも、はじめまして。
ご意見ありがとうございました。
とうふさんの提起された問題は、なかなかに大きく、根深く、多くの分野にわたるものです。
ですから、このコメント欄だけでは答えるのには、正直無理があります。
後日、またあらたにエントリーを立てて、この問題について考えていきたいと思います。
多忙と仕事の疲れのため、なかなかブログ更新ができずにいますが、今月中には関連記事をひとつはあげたいと思いますので、しばらくお待ちいただきたいと思います。
とりあえず、現在答えられて、なおかつこちらの都合が許す範囲だけでもレスしたいと思います。
>私自身地方に住んでおり、しかも職場の今後も厳しいです。また、兼業ですが農業もやっております。
とうふさんのご都合が許すのならば、「何故、職場の状況が厳しいのか?」「何故、先行きが暗いと思うのか?」など、もう少し具体的に体験談的に話してくだされば面白いか、と思います。
どんな問題を扱うときもそうですが、「当事者の体験談」というのは、実感等がこもっている分、説得力があり、問題点も明らかにしてくれるものです。
ただし、その場合はひとつだけ気をつけてください。
あなた個人や、あなたの居住地などを特定してしまうような情報は、出さない方がいいでしょう。何故なら、悪意ある人が目にした場合、あなたに危害が及ぶ場合がありえますから。
弊サイトの以前からの読者さんならご存知ですが……このサイトは、俗に「ネット右翼」などと呼ばれる危険な連中に見張られていますから……。
>しかし、それが国の責任(のみ)とは考えられないのです。
特に、小泉政権以降の「地方切捨て」……農業潰しや、いわゆる「三位一体の改革」と称する「小さな政府論(=市場原理主義)」の導入や、「富の再配分機能」の役割を果たしてきた公共事業の無原則な縮小などの影響も大きいと考えておりますが、ここではその詳細については省きましょう。
ご意見を読む限り、とうふさんが主として仰りたいのは、そんなことではないようですから。
それよりも、とうふさんが最も考えたいのは、おそらく以下のことについてではないか、と私は解釈しました。
>komichiさんや都会の方々は、なぜ地方に住まない(住めない)のでしょうか。
>一例ですが、この環境が改善されれば地方に住む!(もしくは住みたい!)といった、意見が都会から地方に寄せられて、それが反映されていくことが大事ではと思っています。
いろいろありますが、
一番大きなのは「喰っていけないから。地方(特に田舎)には、あまり仕事がないから」でしょうね。 私も失業者時代に職探しをした経験からも言わせてもらうと、地方(田舎)と都市での職安を比べてみても、手に入る求人情報の数も質も全然違いました。
エントリー本文の言葉にもありましたが、「田舎では、教師や公務員でないと、喰っていけない」 という現実があります。
農業でも喰っていくのが難しくなった。雇用吸収力のある産業もない。企業もなかなか来てくれない。
なんだかんだ言っても、結局のところは「喰っていけるかどうか」ではないか、と思います。他にも問題や論点はあるでしょうが、一番大きなのは、そこでしょう。
なお、地方の公共事業は、善悪理非は別として「富の再配分」としての機能も持ち、地方にとってかけがえのない「就職先」や「生活の糧」をもたらしてくれたものですが、それすらも潰されてしまった……。その根底には「小泉改革」、そして「年次改革要望書」などの形で行われてきたアメリカの圧力がある。以下の記事で、それについて少し触れられています。
もしよろしければ、参考までに。
http://kihachin.net/klog/archives/2007/09/himei.html>以前に情報化によって在宅勤務すらできるようになってくるとさえ言われていながら、会社はどうして地価の安い地方に拠点を移してくれないのでしょうか?地方からは人が出て行くばっかりで、問題の本質を解決する力がなくなってきています。
実を言うと、小泉以降に強烈に推進されてきた「市場原理主義」及び「グローバリズム」というものに加え、その「情報化」「IT技術の進歩」というヤツも、結構クセモノなんですよね。 「情報化によって在宅勤務すらできるようになってくる」と。
例えば、事務の仕事などは本社に出勤せずとも、在宅勤務が可能。インターネットを通じてデーターを送りさえすれば、事務員が自宅のパソコンで、ということも可能。
でも……それなのに「会社はどうして地価の安い地方に拠点を移してくれない」のは何故か?
それは、「情報化」「IT技術の進歩」の進歩によって、より人件費の安い外国に業務を委託することも可能になってしまったからです。 例えば経理の仕事では、日本より人件費がはるかに安い中国の上海にでも、ネット通信を通じて業務を委託した方が、企業経営者にとってははるかに安上がりなわけですよ。しかも上海とか中国の大都市では、日本語を学んだ学生も多いので、経理だけでなくほとんどの事務なども任せることができてしまうのです。
いくら地方(田舎)が、「都市部よりも地価が安い」とはいっても、勝負にはなりません。中国ならば、日本の十分の一かそこらの人件費だそうですから。
もうこういう恐ろしい事態が実際に進んでいる。
とうふさんや地方の人たちが心待ちにしておられる企業の皆さんは、中国の都市部あたりに出て、より安い人件費で大もうけをしておられるのです。この夏私も、上海に行ってみて、凄まじい勢いで日本など世界の企業が進出している様を目にしてきましたよ。
「市場原理主義」及び「グローバリズム」、そして「情報化」「IT技術の進歩」などというものが、日本より進行してしまったアメリカでは、もっと凄いことになっています。
カード会社などのコールセンターの業務を、国内よりはるかに人件費の安いインドにまるごと委託してしまっている、などというケースもあるそうなのです。しかもインド人は英語が話せますから、言葉などのハンディなどもほとんど気にしなくてもいいのです。
もちろん(特にパイが限られている場合などは)、その分だけアメリカ国内の労働者が職を奪われることになります。
だから、「市場原理主義」とか「グローバリズム」とか、「情報化」「IT化」などを、そのまま野放しにしておいたら、貧富の格差とか、都市部と地方の格差などというものは際限なく拡大していく一方なのです。
だから、どこかで何らかの歯止めをかけなければならないのです。 私が「左翼」などと呼ばれながらも(笑)、「市場原理主義」とか「グローバリズム」とか、アメリカの望むままにそれらを推進してきた小泉・安倍自民党政権などに必死になって反対してきたのには、そういった理由もあるのです。
>子供の生活環境を第1に考えないと地方の再生はないと思うのですが、高齢者ばかりになってしまうとそういった思い切った転換ができません。
ご指摘のように、「地方に住む人たち(特に高齢者)が発想の転換ができない」、「若い世代が何を求めているのか理解できない」などといった意識の問題も大きいですね。
「市場原理主義」や「グローバリズム」云々の問題だけでなく。
私は独身で、子供を持っておりませんが、もし自分が子持ちの親であったのなら、「子供の生活環境」というのは重視するでしょうね。
例に挙げられた子供の通学路の問題にしても、「その重要性を理解できない」「時代の状況・環境がもはや変わった」ということを理解できない、受け入れられないというのは、駄目だと思います。きつい言い方ですが。
いつだったか、栃木県日光あたりの林道で小学生の女の子が殺害されたり、奈良で小林某などという変質殺人鬼に当時7歳の女の子が惨殺された事件などがありましたね。そういった事例が示すように、普段から人通りも少ない田舎の道というのは、子供を狙う犯罪者にとっては都合のいい場所であり、大変な危険性を秘めているのです。
地方・田舎の人には、
・若い世代の意見を聞き、必要ならば汲み取り、反映させることができる柔軟性
・時代の変化を読み取ることのできる敏感さや先見性なども必要になってくるでしょう。
>この環境が改善されれば地方に住む!(もしくは住みたい!)といった、意見が都会から地方に寄せられて、それが反映されていくことが大事ではと思っています。
これは同感です。
頑迷なままでは、もはややってはいけない。
それができる地方こそが、今後再生と発展の可能性を手にすることができる、と考えております。
それでは、今回はこれにて。
長々とまとまりのないレスを失礼しました。