ついに参議院選挙が終わった。
結果は、
自民37議席、民主60議席、さらに公明が9議席に減少という、
安倍自公政権の歴史的な大敗北であった。
小泉・安倍と続く自公政権を「一億総負け組社会化」と「対米売国」を推進するものだとして、長らく批判を続けてきた私のような者にとっては、非常にうれしいニュースである。
ただ、喜んでばかりも居られない。
あれほどの惨敗であったにも関わらず、安倍首相が辞任しようともせず開き直っているのと、自民党も事実上それを容認しているから、というのもある。
それだけではなく、「二大政党化はより進んでしまった」とか、「安倍批判をする側も問題を抱えている」など、いろいろと問題は多い。
まずは、「政権交代(に一歩近づいた)」という、民主主義国なら当たり前のことがなされたのを喜びたい。
その一方で、今後の問題点を今からでも少しでも考えていきたい。

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さて、またもや更新を滞らせてしまった。
本当ならば、参議院選挙と安部自民党の歴史的惨敗という大ニュースがあった29日直後に記事を書きたかったのだが、できなかった。
29日当日はオフが多忙で、ゆっくりと記事を書くことができなかった。
事前に不在者投票を済ませておいて、正解だった。
30日は「安倍自公政権大敗」というニュースで、うれしさのあまり「祝杯」と称して酒を飲みすぎて、そのまま眠ってしまったのだ……。
それで31日夜現在、こうしてエントリー文を書いている。
まず今の私の気持ちを正直に表すと……。
いやっほーーーーうぅっ!
やったぜえぇぇぇぇぇぇっ!!
バンザーイ! バンザーイ!
アーッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ!
ざまあみろいっ!
いやー、実に爽快だーっ!
気分が「スカーッ」としたぜっ! 「AbEnd」参加者諸氏、私と志を同じくして戦ってこられた皆さんとともに、今回の結果を祝いたい。
それと、とくらさん。今回は残念な結果に終わりましたが、本当にお疲れ様でした。
参議院選挙前のエントリーにて、私は次のように書いた。
改めて言おう。
冗談や誇張ではなく本当に、今度の参院選では、自民党を30議席台まで惨敗させなければならないようだ。
ここで有権者の皆さんにもいいたい。
もう一度、はっきり言おう。
もし今度の参議院選挙ででも、安倍自公政権を存続させてしまったら、日本の民主主義はおそらくおしまいだ。「もう後がない」と考えたほうがいい。
これは決して、冗談や誇張ではない。
おそらくこの選挙を大敗することなく乗り切れば、安倍自公政権は「国民の信を得た」などといって、反対意見や自分たちの気にくわない言論を封殺するための体制作りを推進していくだろう。
ちょっとぐらい叩かれていたり、弱っていたりしたからといって、情け容赦をしてはいけない!
それで結局、本当に30議席台にまで減ってしまった。
宇野内閣は、過去最低と言われる36議席という惨敗によって、即日退陣した。
橋本内閣も44議席という結果を受けて退陣した。
今回の安倍政権の敗北は、宇野内閣退陣の時に匹敵するような大敗北である。
何より今回の選挙は、事実上「安倍政権続投か、否か?」が一大争点だったはずである。
それでこれだけの大敗北。
明らかに圧倒的多数の民意は、安倍政権に反対の意を示したのだ。 普通だったら、安倍内閣は「責任とって退陣」となるだろう。
だが……。
これだけの酷い惨敗にも関わらず、安倍首相は続投を宣言したという。 曰く。「新しい国づくりにこれからも責任を果たしていかなければならない」
はぁ?
こういう場合は普通、安倍さんが辞めることが責任の取り方だと思うのだが、違うのだろうか?
しかしこれが許されるようだとしたら、組織のトップはどんな失敗や犯罪、不祥事等を犯しても、「トップとして責任を果たしていかなければならない」とさえ言えば、辞めなくてもいいことになるだろう。そういうことになりかねない。 そういえば最近、政治の世界だけでなく経済の世界でも結構いるようだ。どんな犯罪や不祥事がバレても、わけのわからない理屈で責任をロクにとらずに、下にだけ責任を押し付け、居直り続けようとする駄目なトップが。
「鯛は頭から腐る」という言葉があるが、指導者層の無責任やモラル退廃が、こうして社会全体に蔓延していくのではないだろうか。
私は「自民党が30議席台まで大敗すれば、さすがの安倍さんも辞任せざるをえないだろう」などと考えていた。
しかし、それは間違いだった。というより、私の考えはまだまだ甘かったようだ。
何しろ、本当に30議席台までボロ負けしても、それでも辞任しないというのだから。
こういうのを「KY(「空気読めない」の意)」というのだろうか?
安倍首相の厚かましさと、民意に対する鈍感さは、私の予想をはるかに上回っていたとは……。
それとも今の自民党には、本当に安倍さんに代わる人材がいないのか?
「及ばずながら……」とか言って名乗りをあげる人さえも、本当にいないのか?
だとしたら自民党という組織は、相当なまでに駄目になっているようだな。
何故ならば、「人材がいない」ということは、ほとんどの場合は「その組織自体が駄目になっている」あるいは「何らかの重大な問題を抱えている」ということだから。
参議院選挙前に私は、「どんなに水に落ちたとしても、安倍自公政権に情け容赦を加えてはいけない」と言った。
水に落ちた安倍はさらに叩くべし!
http://komichin.blog80.fc2.com/blog-entry-89.htmlやっぱり水に落ちた安倍はさらに叩くべし!
http://komichin.blog80.fc2.com/blog-entry-90.html 改めて思ったのだが、
やはり安倍自公政権には一切の情け容赦は無用なようだ。今後もガンガンと批判を行い、徹底的に追い詰めていくまでは。 あと、「安倍自公政権が居直っている」という問題以外にも、いろいろと問題が残っているようだ。
とりあえず、今あげられるだけでもあげておくが、「安倍自公政権を倒した」というだけでは不十分なようだ。
*「二大政党化」がさらに進んでしまった 政党別の獲得議席数を見てみると、
ほとんど「民主党の一人勝ち」という気がする。 共産・社民は議席数を前より減らしている。
国民新党は、議席数は4と変化なし。
新党日本が、今回新たに1議席を確保したそうだが。
なお、無所属当選候補7人のうち6人が野党系、その中のさらに5人が民主党系だという。
ネット社会で注目されているとみられた「9条ネット」と「維新政党・新風」は、今回は議席獲得ができなかった。
これで自民党が潰れなかったとすれば……
いわゆる「二大政党制」がさらに進む、ということだろうか。 「(民主主義国家では当たり前である)政権交代の可能性」が出てきたという反面、これは恐ろしい可能性をも秘めている。
これは、
「有権者の選択肢が減った」ということでもある。 二大政党制において、ある政策で2つの大政党のどちらもが「賛成」(あるいは「反対」)といえば、有権者に事実上選択の余地はなくなってしまう。
これは大変なことだ。
また、2つの政党が大企業や資本の論理に取り込まれてしまえば、それ以外の有権者大衆はないがしろにされるような社会が出来上がる。特に、「一人しか当選できない」というシステムの下では、より強者の支持を取り付けた者のみが有利になる。
イギリスやアメリカなど、二大政党制の国で貧富の格差が激しいのは、おそらく偶然ではない。
とりあえず、政権交代への道が開けたこと自体には、大きな意義がある。
だが、この二大政党政治よりも、「より的確に民意が反映されるシステムにするには、どうすべきか?」を今からでも考えておかなければなるまい。
*まだまだ問題を抱える対抗勢力 今回大幅に躍進した民主党も、まだまだいろいろと問題や矛盾を抱えていることも、また確かであろう。
何よりも「寄せ集め集団」ゆえの弱さがまだ残る。
22日記事でも書いたが、特に、
「考え方も民主党よりも自民党に近い“隠れ自民”な人たちが結構いる」ということが問題だ。
こういう人たちが、自民党の多数派工作などで取りこまれて寝返ったり、民主党の足を引っ張ってしまうこともありうると思う。
また民主党には、(既得権益の固守に汲々とするだけの利権集団と化した)旧来労組などの呪縛を受けたような「ダメ左翼」議員も結構いるようだ。今後はそれも、いろんな意味でマイナス要因となる可能性が大だ。
さらには、まるで「世間知らずの秀才坊ちゃん」のような、ワキの甘い若手議員も結構いるようだ。そういう人が、金銭や女性関係などでしょうもないスキャンダルを起こして、味方の足を引っ張り、敵を利することも、これまでに何度かあった。
今後はない、と思いたいが……。
また、共産・社民にも、いろいろ課題があるのではないか?
参議院選挙期間中、私はあえて両党の批判を控えるようにしてきた。目的は「安倍自公政権を倒すこと」であって、反自民勢力同士で足の引っ張り合いをすることではないからだ。
だが……特に、共産党の姿勢はいかがなものだろうか、と正直私は思った。
相変わらず「独自路線」と称して、勝算も現実的な展望もあるとは思えないのに、共闘を拒み、「反自民票が分散する」という可能性を指摘されているにも関わらず、(どんな一人区にも候補者を立てるという)相変わらず以前からのやり方を変えない。
それで結果が出せるのならともかく、今回の参議院選挙の結果は……言うまでもないだろう。
正論を主張し続けるのも結構だが、「どう考えても、今のままのやり方では先がない」のは、この結果だけからでも明らかだと思うのだが。
共産党が伸び悩んでいるのは、「少数政党を排除する不合理な選挙制度」や「マスコミの偏向報道」、「反共偏見」などの外的要因だけではない。共産党自身にも問題があって、それが有権者大衆の支持を遠ざけているような気もするのだが、いかがだろうか?
自民党への対抗勢力となるだろう、野党の側にも、まだまだ問題があるようだ。
野党が大失敗をして、居直り続けた自民党が勢力をぶりかえす……などということがなければいいのだが。
*我々、運動の担い手にもまだまだ問題があるかもしれない 今回私は、自分のペースでだが、できる限りのことはしたつもりだ。
だが、それでも……いろいろと反省点や「これでよかったのだろうか?」などという疑問点がいろいろと思いつく。
「左翼、リベラルの人たちは、自分たちの仲間内だけで閉じこもっていて、それ以外の人たちにどれだけ自分の考えをアピールできているのか?」
「自民党を支持している人を“B層”などと小馬鹿にしてもいいのか? どんな時でも、弱者の味方でなければならないのではないか? そんなことで、本当に大衆の支持を得られるのか?」
などなど……。
今回、「9条ネット」や「維新政党・新風」などといった、ネットの運動から出てきた政党が議席を獲得できなかった点などを見ても、
「ネットでの政治運動の影響力も、まだまだ弱いのではないか?」
とか、
「我々ネットで言論・表現活動をする者たちは、まだまだ広範な有権者大衆の支持を得られていないのではないか?」
などの思いにとらわれる。
我々にも今後、考えるべき課題は、いろいろあるようだ……。
まあ、いろいろと問題は残った。
安倍首相が居直ったため、まだまだ戦いは終わらないようだが……。
しかしそれでも。
今は大きな一歩を踏み出したことを、とりあえずは喜ぶとするか。

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