先日、ツイッターなどで原発に批判的な発言をしてきた中学教員の方に対して、読売新聞がおかしな圧力をかけようとしていたことがわかった。
その読売記者は、取材と称して「デマを流しているのか」などと敵意・悪意を剥き出しにして、職場にまで押し掛けてきたというのだ。
そのやり口は、民主主義国のジャーナリズムと言うよりむしろ、全体主義国の政治警察である。
今日の読売グループを作りあげた「読売中興の祖」正力松太郎は、戦前は警察官僚として政府に批判的な人たちを弾圧し、関東大震災での朝鮮人虐殺を煽ったという人物だ。
そして戦後は、CIAの工作員としてアメリカの対日工作に手を貸した。つまり保身と出世のために国を売ってきたのだ。
読売の「対米追従」路線も、今回のような「政治警察」的な体質も、正力松太郎以来の「伝統」というわけだ。
今回の件に限らず、読売だけに限らず、日本の大手マスコミが本来のジャーナリズムとしての役割よりも、「アメリカ従属の旧体制を守るための政治警察」としての役割を果たしていることは、特に近年明らかになってきている。
だが今回の一件では、政治警察化した彼らに対して、我々が対抗できる手段も明らかになった。
彼らが最も恐れるもの、それは「市民の目」だったのだ。
自分たちの醜悪な正体を市民に知られることを、彼らは恐れていたのだ。
(小路)

今月19日、
はなゆーさんところの記事で知ったのだが、あの“アメリカ・財界の手先”読売新聞さんがまたやってくれたそうだ。
あの福島原発事故などに関して、脱原発や東電の責任追及の言説を行っている群馬県高崎市の中学教員の方に県教育委員会や読売新聞から圧力がかかったらしい。
まずは、その中学教員・高橋裕行氏のツイッター発言から読んでいただきたい。
高橋裕行
https://twitter.com/#!/herobridge/status/93232847808245760中学校教師です。震災後、Twitterで情報を集め、フォロワーに知らせる中で、原子力行政の歪みと放射線情報のインチキを知りました。その後、東電を追求したり、脱原発を訴えたり、デモに参加したりしました。暫定基準20mSvも撤回を求めています。
高橋裕行
https://twitter.com/#!/herobridge/status/93233798287859712その結果、県教委からデモに参加したか問い合わせが来たり職場や教委に匿名のクレーム電話が来たり、読売新聞から原発のデマを流しているのかという偏った取材が職場に来たりしました。でも原則的に教委も校長も法に触れない限りは僕を処罰は出来ません。首にも出来ません
しかし、あの福島事故やチェルノブイリの惨事や原発利権にしがみつく人たちのいい加減さを見れば、原発やその利権に固執する人たちに対して不安や懸念、不信感などを抱くのは、人として当然と思うが。
特に、国土や子供たちの未来などを考えれば「このままでいいのだろうか?」と疑問を抱くのも責められないと思うが。
ちょっと前までは、国策でもあった原発に対して批判的なことを言うのは、「左翼」「変人」「過激派」「ヒッピー」などのように見られる風潮もあったようだ。だがそんなものは、原発利権に群がる人たちが莫大な金(しかもその多くは元は我々の払った税金や電気料金とかだ!)を使ったプロパガンダ・洗脳工作の結果作られた偏見でしかないことも、今ではわかっている。
「原発擁護・推進もひとつの考え方である」とか、「国や地方自治体、読売新聞が原発擁護・推進なのもひとつの立場である」などとも言えるかもしれない。
しかし、群馬県教員や読売新聞のやり方は一体何なのだ?
これって、明白な「圧力」「思想良心の自由への侵害」ではないのか。
特に、読売新聞のやり方は何なのだ?
まるで悪徳金融業者か、たちの悪いエセ左翼活動家かみたいなやり口だ。
しかも「読売新聞社」という社会的に知名度や影響力も大きいマスコミ企業の看板を背景に、取材と称して「デマを流しているのか」などと敵意・悪意を剥き出しにして押し掛けてくるとは、一般人やには大変なプレッシャーになる。
私自身もサラリーマンであるからわかるのだが、そんな人たちに職場まで押し掛けられることは、さらに大変なプレッシャーとなる。
このような読売新聞のやり方は、少なくとも民主主義国の報道機関のそれではない。
自分たちの意に、権力者など強者の意に添わない意見を圧力かけて封殺しようとするこのやり方はむしろ、全体主義国の政治警察・思想警察のようなやり口みたいだ。

何故、読売新聞など日本の大手マスコミは、原発を推進する側に回ったのか?
特に読売新聞などは、このような政治警察のようなマネをしてまで原発に固執するのか?
その理由に関しては、「マスコミ自身も原発利権で甘い汁を吸い続けてきた利権集団であるから」ということは、
今月5日の記事などで述べた。
だが読売新聞の場合、原発利権に固執する理由がまだある。
それは、読売が悪名高い「御用新聞」「アメリカ追従」などに走る理由にもなっている。
「読売新聞中興の祖」ともされる元社主の正力松太郎(しょうりき・まつたろう)以来の「伝統」なのだ。
この正力松太郎という人物は「テレビ放送の父」、「原子力の父」とも言われている。つまり、日本における現在の原発やマスコミのあり方などを形成してきた責任者でもある。
この人物の戦前からの経歴を見ると「いかにも」とか「なるほどな」と妙に納得する。
戦前は、警察官僚として共産主義者などの政府に批判的な人々を取り締まることで出世していった。
関東大震災の際には、「朝鮮人暴動の噂」を流布させて、あの歴史に悪名高い大虐殺を煽った。その後も出世し、政府の要職を務める。
そんな人物だったから、太平洋戦争後はA級戦犯として公職追放などの憂き目にあうのだが、「CIAの手先になる」などの形で、保身のために国をアメリカに売ることによって生きながらえる。
そして戦後も、「ポダム」というコードネームで、アメリカから多額の資金供与を受けて対日工作に手を貸してきた。
また政治家としても、原子力行政に力を入れ、原子力委員会の初代委員長となり、科学技術庁の初代長官となっている。
その原発も元はといえば、アメリカから持ち込まれたものだという。
以上、正力正太郎という人物の経歴をざっと紹介した。
まさに、戦前から戦後にかけて、日本の支配層・エリート層が歩んできた道をそのまま象徴するかのような経歴である。
このようなリーダーによって作られてきた読売グループが、「アメリカ追従」「原発擁護・推進」となるのも当然であろう。
さらにいえば「戦前は警察官僚として思想弾圧・虐殺扇動」、「戦後は保身のためにCIAの手先となる」といった部分などは、まさに「旧権力の手先」とか、「政治・思想警察そのもの」ではないか。
なるほど、納得だ。
そんなリーダーに作られた読売新聞社の人が、政治警察さながらの言動に出るのも、正力正太郎からの「伝統」というわけか。
「偉大なる正力様、宗主国アメリカ様にタテつくような反原発を吹聴するとは、たかが一般人のくせに、一介の中学教員のくせに生意気な! 我々、大読売の力で目にもの見せてやろうか」っと、いうこと?
ちなみに正力松太郎とCIA、原子力行政との関連については、以下の記事を紹介する。
長くなりすぎるので、ここでは各記事の本文引用はしないが、興味ある方はご覧を。
*CIAに日本を売った読売新聞の正力松太郎
(「天木直人のブログ」2006年2月8日記事)
http://www.amakiblog.com/archives/2006/02/08/ *日本の原発は読売新聞とCIAが作った
(「るいネット」2011年4月7日記事)
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=248928*戦後日本の原子力推進は、アメリカ発だった
(「るいネット」2011年3月22日記事)
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=247730*正力松太郎とアメリカCIAとの関係(原子力発電に関して)
(「るいネット」2006年11月3日記事)
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=136316
今回の原発問題に限ったことではない。
何故、日本の政治はいつまでたっても駄目なままなのか?
何故、日本には民主主義が根付かないのか?
何故、日本人は未だに不況や貧困、格差社会化に悩まされるのか?
何故、日本はいつまでたっても自主独立ができず、アメリカや中国など外国の理不尽に対して弱腰なままなのか?
……などなど。
今日の日本が抱えるあらゆる問題。
それらの問題の根源には、大きな病巣があったことが明らかになってきた。
政界、財界、官僚機構、司法、学界にマスコミ。
口ではもっともらしいことを言いながら、みんな一緒にアメリカの手下となって国を売り、「自分たちの利益・保身第一」になって、国と国民の財産とを喰いものにしてきた。
共産党あたりの台詞じゃないが、結局「日本はアメリカと、アメリカに従属する奴らによって支配されている」ということだろう。
それに脅かす者、それを変えようとする動きが出てくると、「旧体制のガードマン」とか「政治・思想警察」と化したマスコミが、巧妙な情報操作や世論誘導などで直接・間接に圧力をかけて潰す。
時には、同じく「政治・思想警察」と化した検察などの司法とタッグを組んで、旧体制を何とかしようとする人物や勢力などを潰し、批判の言論を封殺していく。
特にここ何年かで、そんな構図がより明白になってきた。
では、そのようなどうしょうもない構造を何とかできる方法はあるのか?
金や権力も持たない我々非力な一般人は、そんな大きな敵を前にして、我慢や泣き寝入りを続けるしかないのか?
いや、そうでもない。
我々にも、手段はある。
その手がかりとなるものが、冒頭でも紹介した高橋裕行のツイートの中にあった。
高橋裕行
http://twitter.com/#!/herobridge/status/93626171857707008因みに僕の職場に読売の丸山記者から電話取材が来て、Twitterでデマを流したろうとネチネチと聞き、tweetするぞと言ったらビビって上司に相談させろと泣き言を言い、読売は原発推進だと言ったのは、全くの事実です( ̄▽ ̄)ノ実在する事も前橋市局に確認済みです。
高橋裕行
http://twitter.com/#!/herobridge/status/93275076241260544え、全然大丈夫です。読売記者から変な取材電話が来たけど、Twitterで公表するぞと言ったらビビって逃げてった。もう公表しちゃったけど( ̄▽ ̄)
これは大変参考になると思う。
一見、無敵に見える彼らにも弱点があった。
彼らが最も恐れるもの、それは「市民の目」だったのだ。
自分たちにもやましいところがあるがゆえに、自分たちの醜悪な正体を市民に知られることを、彼らは恐れていたのだ。
昔なら国民大衆の情報源も、情報発信の手段も、テレビや大新聞などの既存メディアしかなかったから、読売などの大マスコミは無敵だったかもしれない。
だが今では、情報源やその発信手段も彼らだけのものではない。
まだいろいろと問題はあるものの、ネットなどの手段で、我々も既存メディア意外の情報源を手に入れた。
また、(これにもいろいろと問題はあるものの)自ら情報を発信することもできるようになった。
彼らの正体を暴き、広く世に晒すという方法で対抗できるようになった。
もうおとなしく黙っていたり、泣き寝入りをするのはやめて、自らも情報を集め、現実に向き合おう。
そしてできることなら、自らもカメラや録音機、パソコンなどを持ち、自らの主張や情報発信をしていこう。
こう呼びかけて、今回の記事を終える。

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