「皇室は最後の抵抗勢力」
なんと、あの小泉純一郎前首相がこのような発言をしたという。 これは明治天皇の血を引く旧皇族の作家・竹田恒泰氏が、2月5日の講演会で明らかにしたことである。
皇室敵視・否定ともとれるような発言が小泉前首相の口から出た。
これがどれほど重大なことであるかは、わざわざ私が説明しなくても、おわかりいただけることと思う。
さて……このような衝撃的なニュースを全国の愛国者・憂国者の皆さんはどのように受け取られるだろうか?
さらに、小泉「新自由主義」路線を支え、「反日」批判と称してその批判者を攻撃している愛国者気取りネット屑の皆さんは、どのように考えておられるのだろうか?


本来ならば、もっと早くに……21日にこのエントリーをあげたかった。
しかしながら、仕事の多忙、疲れ等でなかなかネットにかまっていられる余裕が持てなかったのだ。
それで、本日23 日になってしまったことが残念でならない。
……と、弁解はここまでにして、本題に入ろう。
21日のことであった。
幣サイトのコメント欄にて、
喜八さんより、驚くべきご連絡をいただいた。
喜八さんのサイトから幣サイトへは、どういうわけかTBがうまくいかないので、コメント欄にて
喜八さんのサイトの記事を紹介していただくことになったのだが、喜八さんが紹介されたのは以下の記事であった。
2007年02月21日
小泉前首相「皇室は最後の抵抗勢力」
http://kihachin.net/klog/archives/2007/02/sundaymainichi.html 毎日新聞社が発行している週刊誌『サンデー毎日』(2007年3月4日号)の記事の題名を見て驚いた!
小泉前首相「皇室は最後の抵抗力」発言の重大波紋
これには、自他共に認める左寄り人間である私も「ええぇぇぇぇっ!?」と、驚いた。
確か、「抵抗勢力」という言葉は、小泉首相が自分の敵を表現する時に使った言葉である。……ということは、「皇室敵視、あるいは否定」とも受け取れるような発言を小泉前首相がしたことになる!
これは一体、どういうことなのか!?
この記事を目にした私は、すぐに近所の本屋へ直行。帰ってすぐに問題の記事を読んだ。
問題の記事は、2月5日に東京・赤坂の明治記念館で開催された『日本再生一滴の会』という団体による講演会で行われた、講師である作家・竹田恒泰氏(31)による講演の中で明かされたことだという。
ちなみに竹田氏は、明治天皇の血を引く旧皇族の御曹司でもある人物だ。
以下、『サンデー毎日』の記事から、その一部──昨年1月頃に皇室典範改正について小泉首相(当時)が自民党内で会合を持った時のことについて、竹田氏が述べられた部分の中から引用する(
赤字部分は筆者による)。
──皇室典範改正をめぐる議論の最中、昨年1月頃のことですが、当時の小泉首相が自民党幹部と会合を持った際、小泉さんはこう言ったそうです。
「今国会で(女系・女性天皇を容認する)皇室典範改正案を必ず上程する。上程は構造改革の一環だ」「皇室は最後の抵抗勢力だ」
もう一カ所、引用する。
また、講演で竹田氏はこうも述べた。
「その場にいた自民党幹部が、『では、皇室典範改正案が国会で否決されたら(また)解散ですか』と聞くと、小泉さんは手を挙げ、何も答えずに退席してしまったそうです」
この事情に詳しい自民党議員は、
「その場にいただれしもが『皇室典範改正』を覚悟したそうだ」
と明かす。そうならば、半年前に行われた郵政解散どころの騒ぎではないだろう。
「郵政民営化、是か非か」ならぬ「女系天皇、是か非か」を唯一の争点にした前代未聞の「皇室解散」が、「ある出来事」さえなければ現実になっていたかもしれないというわけだ。
ここで言われる「ある出来事」とは、紀子・秋篠宮妃のご懐妊のことである。
また記事には、小泉前首相が「皇室を改革する」という意志を持っていたことを示すエピソードも語られている。
さらに、小泉前首相が皇室の行事などで、皇室の伝統や慣習を無視するかのような言動をしたという記述もある。 発言の真意を確かめようと、『サンデー毎日』は小泉事務所に文書で質問をしたそうだが、締め切りまでに回答を得られなかったという……。
そのため、「小泉前首相の真意はどこにあるのか」を100%確実に知る術は、今のところ我々にはないのだが……。
なお、竹田氏は痛烈な批判を展開する一方で、「皇室に関する議論を一般の人たちに与えた」とも前首相を擁護もしている。その辺は、竹田氏の優しさというか配慮だろう。
しかし前首相の意図はどうであれ、その言動の意味するところは重大だ。 特に、いわゆる右翼や保守派、民族派の皆さんなら激怒してもおかしくないような話である。「日本は共和制ではなく、天皇制によって成り立つ国である」というのが、あの人たちの考えであるから。
事実『サンデー毎日』記事には、右翼・民族派の人々による糾弾が行われたことも書かれ、さらに「小泉氏は、もはやどうしょうもない」とした木村三浩氏(新右翼団体「一水会」代表)のコメントも紹介されている。
ブログ界では、どうだろうか?
実は保守派な喜八さんも以下のエントリーをあげられた。
「小泉政治」完全否定(2007年02月22日)
http://kihachin.net/klog/archives/2007/02/kanzenhitei.html そのうち、一部を引用。
幣ブログではこれまでも「小泉・竹中政権は対米買弁政権」「『小泉改革』の実態は対米売国」という批判を繰り返してきましたし、これからも執拗に繰り返すつもりです。外国勢力のそそのかしに乗って「憲法停止クーデター」をも実行した男。それが小泉だとしたら、我が国の「象徴」である皇室に「抵抗勢力」というレッテルを貼り付け敵視するなど「朝飯前」だろうと思うのです。
── ( 中 略 ) ──
権力保持のためには「何でもする」男が、童話のカエルのようにセルフ・イメージを膨らませていった結果、自分は皇室をも凌駕するようになったと自惚れ「皇室は最後の抵抗勢力」と言ってのける。その男はまた国民の「虎の子」である巨額の簡易保険資金を米国金融資本に献上するようなことまでやってのける「破廉恥漢」でもある。こんな人物を評価したり支持したりすることは私にとって「想像もつかないこと」「絶対にありえないこと」なのです。
幣ブログは「小泉純一郎」および「小泉政治」を断固として、完全否定します
引用終わり。
このように、非常に強い調子で小泉前首相とその政治をこき下ろしておられる。

さて……私としては、この件でもうひとつ気になることがある。
それは……
「小泉・安倍擁護の言説を繰り返し、その批判者に対して様々な形で攻撃を加えている人たちは、今度の問題をどのように捕らえているのか?」である。
「皇室敵視、あるいは否定」ともとれる、小泉前首相の今回の言動について、どう考えるのだろうか?
多くの右翼や保守派の皆さんみたいに、小泉前首相を批判するのか?
それとも、それでも小泉前首相を擁護するのか?
あるいは、この話題が下火になるまでスルーを決め込むのか?(苦笑)
どうするのか、見物だな。
そう……
幣サイトでもたびたび取り上げている『反日ブログ監視所』サンとそのお仲間の皆さんは、今回の問題についてどう思っているのだろう? えっ、知らなかったって?
では、今知っただろうが。どうせ幣サイトを見ているのはわかっているんだ。こっちだって、そちらの記事や書き込み等をチェックしている。
まさかとは思うが、この問題についてスルーするんじゃないだろうな? なお、
『反日ブログ監視所』の『■反日ブロガー紹介■』というコーナーには、以下のような過去ログ記事がある。
* 皇孫殿下御誕生 に対する反日ブログの感想集(1)~(4)
http://anti-antijapan.com/07.php 皇孫殿下ご誕生に対して、批判的なことを言ったブロガーたちを、ボロクソに叩いているようだが、皇室に対して批判的なことを言ったり、ケチをつけようとする人たちも「反日」ということになるらしい。
となると、
「皇室は抵抗勢力」と発言した小泉前首相も「反日」ということになるのではないだろうか? 以下のようなコメント紹介もあるしな。
黒羊 2006/09/07(木) 02:08
まあ
彼らも現人神の奇跡を目の前で見せつけられて、自分達の存在意義を失い、何か抵抗できることはないかと必死なんですね。
こいつらが、再び元気にならないためにも一刻も早く皇室典範を改正して、男系天皇が存続できるようにすべきだと思います。(これは旧宮家の皇室復帰以外になさそうですが)
「一刻も早く皇室典範を改正して、男系天皇が存続できるようにすべき」か。
もう一度言うが、「今国会で(女系・女性天皇を容認する)皇室典範改正案を必ず上程する。上程は構造改革の一環だ」「皇室は最後の抵抗勢力だ」と小泉前首相は言ったのだ。 言うまでもなく
『皇孫殿下御誕生 に対する反日ブログの感想集(1)~(4)』で取り上げられたブロガー諸氏の言説よりも、小泉前首相の言動の方が、いろんな意味でよほど重大だ。
このことについて、
『反日ブログ監視所』の皆さん方はじめ、小泉・安倍擁護者の皆さん方は、どう思われるのか?
まさかとは思うが、この問題についてスルーするんじゃないだろうな? まあ、どういう回答をされるのか、楽しみにしておくとしよう。
スルーするなら、スルーするでも結構だ。
その代わりに、「私だけでなく、何人もの読者さんたちも見ている」ということをお忘れなく。

【追記】: あっと、そうだ。
私自身の皇室に対する考え方も、簡単にでも説明しておかないと、フェアではないな。
「皇室」という特別な権威を持った存在は、時の為政者や悪意ある者たちに都合良く利用されると、恐ろしいことになる。それゆえに、憲法などの法律によって、その権限や政治的利用等は厳しく制限されなければならない。
ただ、kaetzchenさんとか、明確に「反天皇(制)」を表明している人たちみたいに、「天皇制は潰すべき」とまでは、私は考えない。
前言とは矛盾するかもしれないが、「日本の文化や国の根本を為すもののひとつとして天皇制を位置づける」という考え方も、それはそれでありだとも思う。
実を言うと、以前は私にも「天皇制は絶対潰すべき」と考えていた時期があったのだが、今ではそうでもない。
何故考えが変わったかというと……ネット活動を始めて、rさんや、喜八さん、
『気ままにつれづれ』さん、
『非国際人講座』さんなどといった保守主義者の言説に触れているうちに、多少なりとも影響されたから、かな……。

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テーマ:皇室典範について
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