今月15日の参院厚生労働委員会で、あの柳沢伯夫厚労相がまたもや問題発言をやらかしたらしい。
今度は「工場労働者は労働時間だけが売り物」などともとれる発言をしたという。
以前のエントリー でも取り上げたが、やっぱり単なる失言だけの問題ではない。
この人に根付いた悪しきエリート意識・選民意識こそが問題であり、女性や労働者などに対してそのような差別意識を持つような人物が、厚労相という責任ある立場にあることこそを、私は問題にしたいのだ! しかしながら、このような人物を擁護し、柳沢批判をする人たちを攻撃する人たちもいる。そこまでして、柳沢氏……というより、安倍政権を擁護したいのだろうか……?
17日付(16日発行)の日刊ゲンダイ記事『柳沢大臣・またまた差別発言』によれば、「女性は子供を産む機械」発言をした柳沢伯夫厚労相がまた問題発言をやらかしたという。
今度は「工場労働者は時間だけが売り物」という意味の発言を、しかも参院厚生労働委員会でしたそうだ。
以下、引用する。
15日の参院厚生労働委員会で残業代ゼロの「ホワイトカラー・エクゼンプション」制度に関する質疑の場面で、生産現場で働く従業員について、「工場労働者というか、そのぉ、ベルトコンベヤーの仕事。労働時間だけを売り物です、というようなところですね」と言ってのけたのだ。 柳沢大臣は残業代ゼロ制度の対象外となる労働者もいるということを説明しようとしたのだが、「ベルトコンベヤーの仕事」とはあまりにもお粗末。口を開くたびに誤解を招く失言を繰り返す大臣は一刻も早く辞めたらいい
以上、引用終わり。
前回のエントリー、『スラバしき選民主義』 でもとりあげたが、どうやらこの柳沢伯夫という人は、本当ひどいエリート意識というか選民意識の持ち主のようだ。女性や労働者に……というより、自分たちエリート以外の人たちにを完全に見下しているようだ。
ちょっとくらいのミスや失言くらいで他人を批判するようなことを、本来私はあまりやろうという気はない。誰だって、もちろんこの私にも、失敗や失言のひとつやふたつくらいはある。
しかし、柳沢氏のように、
わずかな期間の間に……しかも公の場で、このような他人を「機会」「奴隷」「使い捨てのコマ」と考えているとしか思えないような問題発言を繰り返している。そうなると、差別意識・選民意識はこの柳沢伯夫という人物の意識の根底から根付いているのではないか? ここまで来ると、そう考えざるをえない。 しかも、このような意識の持ち主が「少子化対策」や「残業代タダ制度」など、国民生活の根本に関わる諸問題に関する意志決定をする立場にいる。 これでは、我々国民大衆の生活が苦しくなることはあっても、よくなることはありえないだろう……。
さて、このような問題発言を繰り返す柳沢氏への批判に対して、「それは言葉狩りだ、揚げ足取りだ」などと、擁護あるいは、批判者を攻撃する人たちがいる。
また、管直人・民主党議員の「(愛知や東京は)子どもを産む生産性が最も低い」と発言したことなどをあげて、柳沢批判に水をさそうという人たちもいる。
これこそ「言葉狩り」とか「揚げ足取り」、あるいは「ちょっとしたミスをあげつらうもの」ではないだろうか?
要するに、なんだかんだ言って、柳沢批判を邪魔したい……もっと言えば、安倍政権を擁護したいだけではないのか? そう私は思うのだが。
このような柳沢批判への批判(?)・攻撃に対しては、例えば
『カナダde日本語』 の美爾衣さんが、以下の記事で的確に反論されているので紹介する。
柳沢発言の批判は単に揚げ足取りをしているわけではない(2007.02.09記事)
http://minnie111.blog40.fc2.com/blog-entry-396.html 以下、一部を引用(
赤字部分 は筆者による)。
ブログの持ち主ではなかったので、承認はしなかったが、柳沢発言に関して、単に言葉尻をとらえた揚げ足取りだとか、菅直人民主党議員の「(愛知や東京は)子どもを産む生産性が最も低い」発言はどうなるのかなどというコメントをいただいたが、柳沢発言は単にその言葉尻をとって非難されているのではなく、日本女性学会の意見書にも書かれている通り、自民党による少子化政策のでたらめさを表すものであり、故にこれだけ多くの批判を受けているのだ。単に揚げ足取りだとして柳沢発言を批判する人々を誹謗することは、リテラシーの低さを表すものだと思う。 こういった柳沢発言の裏に効果的な少子化対策があるなら、まさに揚げ足取りと言われてもしょうがないであろう。でも、自民党の少子化政策に何か具体的な解決策があっただろうか? そして、『きっこの日記』「差別用語もTPO」にもあった通り、その発言をいつどこでどんな機会にしたかということがとても重要になってくるのであり、厚生労働大臣の立場でありながら、国民の経済状況や周りの環境が悪化して、子供を産みたくても産めない人が増えている時に、こういった女性に産めよ増やせよ的な戦前の日本の人口政策のようなことをぬけぬけとみんなが見ている記者会見で発言したのだから、女性を侮辱しているととられてもしょうがないし、辞任を要求されて当然だ。 又、これから厚生労働大臣として少子化政策を展開しようとする柳沢氏の発言と単なる一議員としての菅氏の発言とでは国民に与える影響が違うし、重さも違う。 個人的には、菅氏の「(愛知や東京は)子どもを産む生産性が最も低い」という発言は「出生率が低い」ということを柳沢発言を受けて、冗談で言ったものではないかと私は推測していたのだが、匿名の方のコメントによると、実際は菅氏の発言の方がカメムシ大臣の発言よりも早かったようなので、カメムシ発言を受けての発言ということはなかったようである。でも、「生産性」という言葉に女性に対する侮辱は全く感じられないのだが、みなさまはどうだろうか。きっと「出生率」という言葉がでてこなくて「生産性」と言ってしまっただけだろう。特に悪意あっての発言ではなく、全く問題ないと思うが・・・。柳沢発言を批判することを揚げ足取りと言っている人がこんな指摘をする方こそ、揚げ足取りをしているのではないか。
以上、引用終わり。
次に柳沢擁護、あるいは柳沢批判に対して攻撃を加えている例を紹介する。
幣サイトにも、「教育的指導」などと称して何度か攻撃を加えてこられた、
『反日ブログ監視所』サン の記事である。
出産を「生産性」と発言した民主、菅直人(カテゴリー:時評)
http://anti-antijapan.com/modules/nmblog/response.php?aid=26 ソースは公明党か。
民主党・小沢一郎氏の過去の発言をとりあげた記事もあるな。
「特殊学級、馬鹿学級」民主、小沢発言(カテゴリー:時評)
http://anti-antijapan.com/modules/nmblog/response.php?aid=27 「2003年9月26日の発言」か。
よくもまあ、そんな何年も前の記事を取り出してきたものだ。
ある意味、感心するな(苦笑)。
以上の記事に対しては先述の通り、もう既に
美爾衣さんなどが的確に反論されている ので、これ以上は反論しないが……。
また何だかんだ言って、難癖つけてくるかもしれないが(苦笑)。
管・小沢両氏の発言をもとに、質問と称して民主党候補者でもある
とくらさん に詰め寄ろうとしている記事もあるな。
民主党公認、とくらさんに質問状(カテゴリー:時評)
http://anti-antijapan.com/modules/nmblog/response.php?aid=28 「とくらさん は別に答える必要はない」と私は思う。 この手の輩は、どうせ何を言っても悪く言うのだから。というか、最初からまともな対話や議論が目的ではないのだから。 それは、この管理人やそのお仲間、ご同類たちが今までにやってきた言動の数々を振り返ってみれば、それは明らかだ。
ところでこれまで半年以上、
『反日ブログ監視所』 を観察させてもらったが、そこの管理人さんはお仲間の皆さんと共に、何かことある毎に小泉・安倍政権を擁護し、批判者を攻撃する言説を展開してきた。
例えば、
幣サイト旧館 に以下のような記事をTBしてきた。
ヽ( ・∀・)ノ平均的日本人の小泉首相観
http://shizurus.blog63.fc2.com/blog-entry-96.html
(注:初代『反日ブログ監視所』の記事。サイト凍結処分・移転等のため現在はアクセスできないかも)
これはあまりよくは覚えてないのだが、「反小泉」の言説を掲げる我々は、朝日新聞の世論調査で出た「日本人の平均的な小泉首相感」からずれているから、どうとかこうとか、という内容だったかな……? 「だからどうだというのだ?」というのが率直な感想だったが……。
安倍政権誕生の時には、
幣サイト記事のTB欄 に、安倍政権の誕生を祝福する以下の記事をTBしてきた。
安倍政権誕生
http://shizurus.blog63.fc2.com/blog-entry-96.html
(注:初代『反日ブログ監視所』の記事。サイト凍結処分・移転等のため現在はアクセスできないかも)
昨年10月頃に、謎のサイト移転を経た二代目『反日ブログ監視所』においても、AbEnd参加者など安倍政権批判者を叩く
『安倍総理への不当な人格攻撃を止めろ』 という記事を書いた。
自民党が郵政造反組を復党させたことに多くの批判が集中し、小泉前首相が「小泉チルドレン」と言われた一年生議員を見捨てるかのような発言をした時のことだ。
『アンチ小泉ブログが見事に釣られてます(笑)』 という記事を書いて、それを批判したブロガーを叩いた。
昨年11月、教育基本法改正案が可決された時には、
『教育基本法改正案を可決』 という記事を書いて、国会を欠席した野党議員を「税金泥棒」とか「傲慢不遜な似非国会議員」だとか罵倒。「教育基本法の中身がどうあれ」とか「教育基本法などには興味はないが」だとか記事本文では言っているが、結局は政権与党を擁護したいといういう意図がミエミエだ。
なお、以上の3記事にはサイト移転等で現在では読めないものもあるかもしれないが、こちらでコピーを取ってある。
ここで話を元に戻そう。
そして今回の、民主党議員の管・小沢両氏の発言をとらえた民主党攻撃、柳沢批判への攻撃だ。
「安倍政権擁護のために必死だな」 というのが私の率直な感想(笑)。 こうして見ると、
「小泉・安倍政権を擁護したい」、あるいは「小泉・安倍政権への批判を潰す、妨害する」という意図が、柳沢批判を叩く人に見えてくるようだ。 本人たちは否定するかもしれないが。
「反日監視」とか、あるいは何様のつもりか「教育的指導」だとか、エラそうなことを言って、結局はそれが目的だったのか……?
本人たちは否定するかもしれないが、こちらでわかっているだけでもこれだけ小泉・安部政権に有利な記事を書いていたのではねえ(苦笑)。
しかし、そこまで熱心に小泉・安倍政権及び、彼らが推進する対米売国にもつながる新自由主義(=市場原理主義)路線を擁護する人たちがいるのは何故だろう?
まあ、考え方は人それぞれだ。元から新自由主義、市場原理主義の信奉者だったという人もいるのだろうが、それだけではないような気が、私にはするのだが……。
もしかしたら……それがお仕事 なのか? だとしたら、本当にご苦労なことだ(笑)。
「女は子供を産む機械」だとか、「工場労働者は労働時間が売り物」だとか問題発言をするおっさんの擁護までしなければならないとは(苦笑)。
さーて、このようなおそれ多いことを書いた私には、今回はどんな「教育的指導」が来るのかな?
今から楽しみだなあ。
どきどき(笑)。
さあ、もっと政権与党マンセーぶりを見せてくれ(笑)
【2007年2月23日追記】: それにしても、
『反日ブログ監視所』サン に、「さあ、もっと政権与党マンセーぶりを見せてくれ(笑)」と言ったその直後に、以下のような記事をアップされたとは!
2007-02-20
似非民主主義者 民主党シンパ(カテゴリー:時評)
http://anti-antijapan.com/modules/nmblog/response.php?aid=31 これが今回の「教育的指導」だろうか?
私のことを「偽善者」だとか、「民主党シンパ」だとか、「疑似民主主義者」だとか、こき下ろしているようだが。
それにしても、相変わらず「攻撃対象をいかに馬鹿で卑劣に見せるか」という印象操作にかけては、一級品だな(笑)。
あっと、こんな記事も書いているな。
2007-02-22
「嫌安倍厨」(けんあべちゅう)(カテゴリー:時評)
http://anti-antijapan.com/modules/nmblog/response.php?aid=32 安倍批判者を叩こうという内容だ。
単に安倍総理が嫌いだというだけでは「嫌安倍厨」ではなく、また事実に基づいて安倍総理を批判している場合も「嫌安倍厨」とは言わない。「嫌安倍厨」の定義は以下のとおり。
一応こうは言っているが、印象操作の名人のことだ。
もっともらしい理屈をつけて、批判者を叩きにかかるだろうな。
それにしても、これほどまでにわかりやすく、こちらの要望に応えてくれて、うれしい限りだよ(笑)。
これでますます、彼らが「安倍政権の擁護者」であることがはっきりした。
やはり彼らの言う「反日」って、「反小泉・反安倍」のことだったのか?
関連記事
スポンサーサイト
テーマ:産む機械
- ジャンル:政治・経済