先月衆議院選挙の結果は、「自民・公明大敗。民主圧勝」という結果に終わりました。
100%完全な結果ではない。
まだまだ問題を抱えたまま。
しかしそれでも。
今回の結果は、自公政権による「対米売国」「市場原理主義」路線に踏みつけにされてきた国民・有権者の勝利であり、前進であり、決して否定的にとらえるべきではない。
そのように私は申し上げたいのです。
(komichi)

選挙から3週間。ようやく、鳩山民主党による内閣の顔ぶれが決まったようです。
*鳩山内閣閣僚名簿(首相官邸のHPより)
http://www.kantei.go.jp/jp/hatoyama/meibo/daijin/index.html 国土交通大臣・内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・防災)に前原誠司で大丈夫か?
……などの不安はありますが。
年金問題で鋭い追及をした長妻昭氏を厚生労働大臣に。さらに、郵政民営化反対の急先鋒の一人である亀井静香氏を郵政改革担当にというのは、実に面白いというか、これ以上はないという適切な人事だと思いますよ。
新大臣の皆様には、自公政権時代からの膿(うみ。問題点や負の遺産、その他闇に葬られてきた情報や真実など)を徹底的に出し切ってほしいものです。
なお、内閣人事の決定や社民・国民新党との連立協議に時間がかかったことに対して批判的な意見もあるようです。
確かに、人事や連立協議に手間取ったマイナスもあるかもしれませんが、私はそれでよかったのではないか、とも思います。
何故なら、社民党と国民新党がごねたと言われる問題はいずれも、それぞれの党が譲れない(簡単に譲歩すべきではない)問題であり、自民党時代の負の遺産を生産するための重要な問題であるからです。
まず、国民新党が主張した「郵政民営化」問題。
小泉・竹中時代の対米売国路線の最たるもののひとつであり、その象徴とも言うべき「郵政民営化」問題。 昨年末頃に
竹中平蔵が「民営化した郵政はアメリカに出資せよ」と発言し、
「貴重な国民資産をアメリカや一部の大資本の食い物にするものだった」という「郵政民営化」の実態が明らかになりました。そして、
亀井氏が「(竹中を)東京地検特捜部に告発しますよ」と宣言し、
「かんぽの宿」問題で、野党3党の有志議員が西川社長を「特別背任未遂罪」で告発するという、ただならぬ事態にまでなっています。
これは、是非とも追及してもらわなければならない問題です。いい加減な妥協などなしに、徹底的に。
安保問題も非常に重要な問題ですが、これについてはまた別の機会に述べるとしましょう。
少なくとも、社民・国民新党両党には、連立のためだからといって、自分の主義主張を安売りするようなことはしてほしくありません。
そして……今回の本題に関わるところですが、
多数をとってしまった民主党が、単独で暴走しておかしな方向に行かないための「押さえ」としての役割を、社民・国民新党に望むからです。 何故、そんなことを言うのか。
それが今回の本題、
民主党は本当に当てにできるかというわけです。
さて、
前々回と
前回からの続きです。
政権交代という目的を果たしたのに、私が「100%単純には喜べない」という理由を3つ挙げました。
(1):自民党の中でも、最も退場させるべきだった駄目議員を落とすことができなかった
(2):マスゴミやアメリカなど、自民党政治を支えてきた「真の抵抗勢力」が国民のための改革を妨害しようと今もあがいている。
(3):「圧倒的多数をとった民主党をそもそも全面的に支持・信頼できるのか?」という疑問。 前回では、「(1):自民党の中でも、最も退場させるべきだった駄目議員を落とすことができなかった」ことについて述べました。
今回は「(3):「圧倒的多数をとった民主党をそもそも全面的に支持・信頼できるのか?」という疑問。」という点について述べます。
(3):「圧倒的多数をとった民主党をそもそも全面的に支持・信頼できるのか?」という疑問。 わかりやすくするために、結論から言いましょう。
今の民主党も、「100%信用できる」とか「安心して任せられる」と言うわけでは必ずしもない。
自民党から民主党に政権が移っただけで、全てハッピーエンドとなるとは限らない。 これです。
このように考えているのは、私だけではない。
むしろ、よほど楽観的な人や、熱心な民主党支持者でない限りは、少数派でしょう。
実際、自Endのトラックバックセンター……
「自民党」も、
「自民党政治」も……に参加している反自民のネットユーザーのほとんども、無条件で民主党を持ち上げているわけでは決してない。
何故、民主党に不安を覚えざるをえないか?
以下、いくつか簡単に理由をあげていきます。
*理由1:賛成できない政策がいくつかある 民主党の政策全てに賛成できないわけではない。
そういう法案のまず筆頭にあげたいのが、「議員定数削減」。
議員の定数が削減しようというものですが、この理由とされている「日本は議員の数が多すぎる」というのは、下図(
たかしズムさんところから拝借)を見ても明らか。

しかも、今の日本の「小選挙区制度」下で定数削減などやれば、
大政党以外はほとんど議席を失う、つまり「大政党の独裁」となってしまう。 あるいは、「小選挙区制度」とあわせて、最初からそれが目的だったのか……?
また、外国人参政権なるものも推進しているという話です。
これについては、長くなるのでまた別の機会で述べますが、選挙に大勝したからといって、今回の公約にもなかったシロモノを多数の力で強行するなどというのは、なしにしてもらいたいものです。
この他にもありますが、長くなるのでとりあえずはこれだけにします。
*理由2:前原誠司等のような「獅子身中の虫」が何人も居る いわゆる「前原グループ」など、民主党内の「獅子身中の虫」とも言える人たちがゴロゴロ居ます。
元々が「選挙対策のために打算で集まっただけの烏合の衆」だったゆえの弱点か。
かつて小沢一郎氏がバリバリの親米派で新自由主義者だった頃からの負の遺産なのか。
「自民党以上に自民党的」とか、「小泉以上に小泉的」とか呼ばれる、バリバリの新自由主義者の集団。
今回の自民党大敗や、アメリカの金融危機などの背景には、「新自由主義(=市場原理主義)」の破綻・行き詰まりがある。つまり「対米従属」や「市場原理主義」が嫌われ、その時代が終わろうとしているのが今や日本と世界の趨勢であるのは明らか。
にもかかわらず、未だにそんな古いイデオロギーや「アメリカ信仰」にとらわれ続けている。
はっきり言って、民主党に居るのが不思議でならない。
むしろ、小泉純一郎などと同じように、自民党の征倭会(もとい、清和会)に居る方がふさわしいような人たち。
困ったことに、
しばしば党外の新自由主義勢力の声を「代弁」して、重要な局面ごとに民主党の政治活動や闘争の足を引っ張ってきました。
さらに、政治家としての能力にも疑問符がつきます。
かの
堀江メール事件で、怪しげな人物からガセネタをつかまされて、それを見抜けず突っ走ったあげくに民主党を危機に陥れ、さらにその後の対応を誤って仲間(永田寿康議員)の政治生命ばかりか、本当に生命をも永遠に失わせる結果になってしまった。
その一件からも、脇の甘さや政治家としての能力の無さは明らかなのに、未だに政治活動を続けていられて、しかも党や内閣の要職に就いているのが、私には不思議でなりません。
民主党内には、この前原誠司のようなのがまだ何人も居るそうです。
今後も彼らが、自民党や新自民党、マスゴミなどの新自由主義勢力(旧特権階層)から煽られたり、そそのかされたりして、重要な局面で民主党の足を引っ張り、旧政権与党やその背後に居る新自由主義勢力を利する言動をとらないか、心配です。*理由3:本当に公約に掲げたことを実行できるかどうか、疑問が残る 記者クラブ廃止。
企業献金廃止。
失われた年金記録、救済対象拡大。
天下り廃止。
八ツ場ダム、川辺川ダム建設など無駄な公共事業の見直し。
などなど。
民主党がやると宣言した事項はいろいろあるようですが、そのうちのいくつかでも実行されれば、確実に日本社会に変化をもたらす(もちろん良い意味で)ものです。
しかしながら……民主党がこれを全て実現できるかどうか……私はちょっと懐疑的というか、悲観的にならざるを得ないのです。
例えば
「記者クラブ廃止」に関して、スタートからたった2日目でいきなり「公約違反」がありました。
なんと、「記者会見をオープンにする」という約束を反故にして、フリージャーナリストやネットメディアを締め出してしまったようなのです。雑誌記者は入れたそうですが。 「これは民主党の意思か? 一部の党役員がやったことなのか? いずれにせよ、馬鹿なことをしたなあ。今回のことで墓穴を掘ったのではないか」
このニュースを聞いた私の率直な感想です。
まあ、全ての公約が実現できるとは、最初から期待してはいませんでしたが……しかし、スタートからいきなりこれでは先が思いやられます。
考えても見てください。
西松騒動や、
田中美絵子騒動などで、蛆3Kなどマスゴミから叩かれまくっていた時に、民主党を擁護する論陣を貼っていたのは、むしろネットだったはず。
そして、
既存マスゴミが信用できないことを見抜き、見限り、自らの頭で考え行動した日本の有権者の支持を受けて、民主党は大勝利を得られたのですよ。
それなのに……。
「敵」と「味方」の区別もできないのか?
「腐って衰退していくもの」と、「これから発展していく可能性を秘めたもの」との区別もできないのでしょうか?
つまり、
時代の流れが読めなかっただけでなく、「自分たちが何によって支えられてきたか」も理解できなかったのでしょうか?
どうも、以前から民主党はそういうところがあるようですね。
時代の流れも、支持してくれる国民の意思も読めずに、「敵」(旧政権与党やそれに群がる財界やマスゴミなどの特権集団)にいい加減な妥協をして、自滅してしまうという甘いところが。 確か、1996年の「住専問題」の時も、そうでしたね。「住専への公的資金投入は認められない」というのが国民大多数の声だったにも関わらず。さらに当時の小渕自民党政権がこの問題で追い詰められていたにも関わらず。しかし何を思ったのか、管直人が「(住専問題は)政局にしない」などと発言。それで追い詰められていた小渕自民党は息を吹き返し、民主党は彼らを追い詰める絶好のチャンスを逃してしまった。そればかりか、「破綻した駄目な金融機関を(その責任を十分に問わずに)税金で救済する」という悪しき前例を作ってしまうことになってしまった。さらに、その後の森→小泉→安倍の「暗黒時代」への道を切り開くことになってしまった。
何故、以前から民主党には、そういう「詰めの甘さで墓穴を掘ってしまう」ようなところがあるのか?
ここから先は、多分に私の推測が加わることを断った上で言わせていただきますが……。
「民主党内には、世間知らずの秀才バカや、55年体制人間がたくさん居る」 誰の発言だったか忘れてしまいましたが(汗)、民主党の弱点について、上記のような意味のことを言った人が居ました。
この言葉にこそ、民主党の「甘さ」「駄目っぽさ」の原因が示されているように思います。 まず、「世間知らずの秀才バカ」という言葉についてですが、(2)で例に挙げた前原誠司や永田寿康(や、いわゆる前原グループの若手など)も、それに当たると思います。
マスゴミで「若手の論客」と持ち上げられたくらいで、いいように利用されて、味方の足を引っ張る利敵行為を繰り返すのも、プライドだけが肥大して周りが見えないという「世間知らず秀才バカ」の典型的な特徴です。永田メール問題でも見られるように、信用できるかどうかもわからないような怪しげな人物にのせられたあげくに、先輩や年長者などの注意も聞かずに突っ走ったあげくに墓穴を掘るというのも、「世間知らず秀才バカ」によく見られる失敗です。
そんな「世間知らず秀才バカ」の大きな特徴のひとつとして、「大きな挫折や修羅場を経験していない」、「そのためプレッシャーや修羅場に弱く、それから逃げようとしがちである」、「“バカ”や“悪者”になれない。“優等生”や“良い子ちゃん”をやめることができない」など。要するに、「肝心な時に本気の喧嘩や闘争ができない。それから逃げようとしてしまう」のです。 だから、「喧嘩相手」でもある旧政権政党や、特権集団(財界やマスゴミ)をなかなか追い詰められない。もう少しというところまで追い詰めても、とどめを刺せずに逃げられ、復活と反撃を許してしまうのでしょう。
「55年体制人間」と言う言葉ですが、いわゆる「55年体制」の下での、
「与党も、野党も、マスゴミも、財界も、労働組合などもナアナアの馴れ合いでやってきた」時の感覚を未だに引きずっている人たちのことでしょう。
明らかに時代が変わろうとしているのに、また自分たちも変わらなければならないのに、それができない。それ以前に理解すら出来ていないのかもしれない。
だから、そのために必要な喧嘩や闘争をすることも、古いしがらみ等を切り捨てることもなかなかできない。 そんなことだから、「記者クラブの廃止」とか、「天下り廃止」とか、「企業・団体献金の禁止」などの改革が、本当に民主党に実現できるのかどうか。
懐疑的にならざるをえないのです。

以上、私が民主党を今ひとつ信用できない、懐疑的にならざるをえない理由をいくつかあげました。
さて、私がこのような記事を書くと、次のように疑問に思われる読者さんもおられるかもしれません。
「えっ? それじゃあ、『嗚呼、負け犬の遠吠え日記』のkomichi(小路)は、なんで今まで必死になって政権交代を主張してきたのだ? それじゃあ、政権交代も意味ないじゃないのか?」
また、したり顔で次のようにのたまう麻生信者や自民党シンパが居るかもしれません。
「そうらみろ。だから、民主党への政権交代は駄目だと言ったんだ。今頃気付いて後悔するなんて、おまえらはバカか?」とか。
(例:、
前々回と
前回の記事に、いくつも政権交代を罵倒する記事をTBしたあげくに、
「麻生を支持しなかった愚かな日本人はお灸をすえられろ」とか「さっさとあの世に行って下さい」などという、日本人への憎悪と敵意をむき出しにした暴言を吐いた某「反日ウヨ」ブロガーとか)
いえいえ。
確かに、いろいろと問題を抱えた民主党への政権交代ではありますが。
それでも、「政権交代してよかった」とか、「自民・公明の下野は絶対必要だった」と。
「この政権交代は、大いに喜ぶべき歴史的な出来事である」と、私は思うのです。 今回の選挙では民主党に投票したことも、正直に申し上げます。
そして、その選択についていささかの後悔もしていないことも、ここで申し上げておきます。
今回も長くなったので、この辺でそろそろ切りたいと思います。
「何故、問題だらけの民主党への政権交代を喜ぶべきこと、と考えているのか?」
「ダメダメな民主党の政権に、何を期待しているのか?」
次に、こういった疑問に答えていく記事を書きたいと思うのですが……。
っと、その前に……。
次回は「外国人参政権と、それを民主党が推進しようとしている問題」についての私権を述べる記事を書きたいと思います。
前回記事のコメントレスにて、そのように約束しましたので。
民主党の公約違反を批判していた私が、読者さんへの約束をいきなり破ってしまったのでは「言行不一致」になってしまいますので(笑)。
それに、「外国人参政権」をめぐる問題は、民主党など日本の「反自民(左翼、市民派、リベラルなどといった勢力も含む)」が、もっと言えば今の日本の政治が抱える大きな問題とも関わっていると思いますので。
それでは今回はこの辺で。
最近、特に仕事が多忙になりまして、「シルバー・ウィーク」と呼ばれる連休中だというのに、私には仕事を休める日が一日もありません(汗)。
そんな状態なので、記事更新や、コメント・TBの承認、コメントレス等のスピードが遅くなってしまうかもしれませんが、そこはご容赦ください。
なお、ランキングへの参加は前回をもって終了しました。
今まで応援してくださった皆様、ありがとうございました。

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