中国の毒餃子事件、及びその後の中国側の不誠実な対応。
女子中学生暴行事件やタクシー運転手殺害事件などの在日米軍兵士の犯罪。
ここ最近、
外国の横暴と理不尽、及びそれに対する日本政府の弱腰のために、日本人の生命や安全、尊厳などが脅かされているという事例が目立ってきているようです。
このような事件自体もショッキングなことですが、それ以上にショッキングなのが、
なんと本来同胞であるあるはずの日本人の中にすら(特に社会を指導する立場のエリート層に!)、加害者側を擁護し、あろうことかその責任を被害者側に転嫁しようとする人たちがゴロゴロといる、ということです。
例えば、沖縄での米兵による女子中学生暴行事件において、なんとその責任を被害者側に転嫁し、さらに被害者家族に対して根拠なき誹謗中傷や印象操作、高額賠償金付きの訴訟までにおわせた脅迫まで行った、蛆3K(もとい、フジサンケイ)の花岡某記者なども、その典型でしょう。
また、最近起こったチベットでの中国政府による大量虐殺疑惑に対する政府やメディアの及び腰にも、この国のエリート層が抱える深刻な病巣をみるような思いがします。
いわゆる「左派」「親中派」と言われた人たちだけではなく、政府の人たちや「右派」と見られた人たちの中にも、中国政府の蛮行に対して弱腰な人たち……外国に対して、言うべきことも言わない人たちの姿が見られます。
何故、このような情けないことになってしまったのか?
ひとつには、近年における「市場原理主義」、及び「一億総負け組化」(いわゆる「格差社会化」)があるからだ、と思います。
「市場原理主義」「一億総負け組化」が進行するほど、米中など外国への経済的依存度が高まることになります。
つまり、それだけ国自体の自立(自律)の基盤を弱めることになるのです。 もちろん、ずっと以前から日本政府の大国に対する卑屈なまでの弱腰・従属姿勢は問題視されてきましたが、最近になって特にひどくなってきたようです。
特に小泉政権以降に、「絶対的正義」あるいは「絶対不可避な時代の流れ」であるかのように喧伝され、進められてきた「市場原理主義」と「一億総負け組化」。
この国の自立(自律)、及び国民の生命や安全、尊厳を守るという立場からも、この2つの誤った路線・考え方を見直していくべきではないでしょうか。

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さて、一ヶ月近くも記事更新を止めてしまいました。
仕事も3K肉体労働で不規則勤務が続いておりました。またプライベートの方でも、いろいろお世話になってきたのに長らく不義理を続けてきたという方々に対して、いい加減に義理を果たさなければならなかったという事情もありました。
できるだけ早く更新を再開したいと思っておりましたが、先月はオフの用事が多忙でなかなかネットにかまっていられる時間がありませんでした。
コメントをいくつかいただき、(緊急性のある相談以外は)レスできないままのものがあることも申し訳なく思っておりますが、その点はご理解・ご容赦いただきたいと思います。
さて、私が更新を停止している間にも、世の中はいろいろとあったようです。
それらの中で、日本と外国との関係が絡んでいるもの……その中で、特に私が気になったことは、次の3つです。
(1):チベットにおける中国による言論弾圧、及びそれに伴う虐殺疑惑。
(2):在日米軍兵士による凶悪犯罪。及び、その背後にある地位協定の問題。
(3):中国・天洋食品の毒餃子事件及び、(責任逃れか証拠隠滅としか思えない)その後の中国側の対応。
この3つの問題には、共通点があると思います。
それは、
「大国による明らかな理不尽がまかり通っているにも関わらず、それに対して何もいえないどころか、卑屈なまでの従属姿勢・事なかれ主義を見せている日本の政府やエリート層の情けなさが目立つ」ということです。
まず、(1)のチベットでの事件についての話からしましょう。
先日チベットにて発生した暴動(いや、「抗議行動」というべきかな?)に端を発した中国武装警察の出動。軍隊まで出動して大変な事態になりましたが、チベット人犠牲者の数は(発表する立場によって異なっているものの)3桁に達しているそうです。
この問題に対して、日本人は(日本の政府は、言論人は、そして一般人は)どのような対応、あるいは反応をするか。
それによって、各人の立場や真価が問われると言っても過言ではないでしょう。
「いつも何かある度に騒ぐ、サヨクや人権団体、平和主義者は、中国のあのような蛮行に対して何も言わないのか!?」
事件が起こった当初、ネットなどでよく言われたのが、このようなセリフでした。
残念ながら、日本の「左派」「リベラル」と呼ばれる人たちの中にも、そういった人たちがいるのは事実でしょう。
旧ソ連が健在だった時代に、チェコ侵攻やアフガン侵攻など旧ソ連の蛮行を擁護した「進歩派文化人」がいたように。
つまり、自分自身の信念と良心に基づいて考え、動いているのではなく、「特定の人物・集団(国家)の従属者」のようになっているから、そのようなご都合主義に陥ってしまうという人たちです。
しかし……。
今回の中国の蛮行に対して、抗議や批判の声をあげることができないのは、どうも「左派」「リベラル」などといった人たちだけではないないようです。
日本政府の指導的立場にある人たちや、いわゆる「右派」「保守派」と思われた人たちの中にも、中国政府の蛮行をきちんと批判しない人たちがいます。 どういうことか?
以下は、FC2の保守派ブロガーとして有名な
『ある浪人の手記』さんが、先月21日に書かれた記事です。
ダメだ、コイツら…(マスゴミ編)
(『ある浪人の手記』2008年3月21日記事)
http://restororation.blog37.fc2.com/blog-entry-1150.html 管理人・浪人さんは、明らかな「保守」「アンチ中国」の立場の方ですが、
いわゆる「右」と見られた産経新聞が、チベット騒乱に関する中国政府の言い分を無批判に垂れ流している……つまり、そうすることによって“中国擁護”の立場にいることに対して、怒りと不信感を表明しておられます。
以下、産経新聞の報道に対する浪人さんの感想を一部引用させていただきます。
いや素晴らしい。
何が素晴らしいかって、まずは、こんなガキのグダグダの言い訳レベルのものを「猛反撃」と書ける産経記者のセンスの無さが素晴らしい。
何をどう考えたって、こんなもん良くて逆ギレ、普通なら自爆としか表記出来ないレベルの代物です。
反撃と言うからには、この支那畜の言い分を聞いて、「チュウゴクの言う事にも一理ある」と思う人間が僅かなりとも増えなければならない訳ですが、真面目に、こんなチンピラがくだ巻いているレベルのものを耳にしてそんな風に思う人間など皆無、寧ろ、余計に支那畜に対して不審を抱く人間が増えるのがオチだと言えます。
朝日がやらかしているなら、「またアサヒってやがるよ、このヴァカは」で済まされる所ではある訳ですが、他の新聞社、それも産経が、こんな風に如何にも「チュウゴクの思惑通り物事が進んでいる」みたいな中共翼賛記事書くのは不味いでしょ。
と言うか、支那関係の記事くらいまともに書かなきゃ、産経の存在価値なんざ殆どありませんぜ、マヂで。
古い差別的用語も交えている浪人さんの言い方には少々問題があるかもしれませんが、少なくとも、筋というか、一貫性は通そうとしておられます。
それに対し、以下のような幼稚な「居直り」とか「逆ギレ」としか言いようのない中国外務省の言い分を無批判に垂れ流し、それを「猛反撃」だとか言っている産経の報道には、違和感を持たざるをえません(以下、2008年3月21日、産経新聞より抜粋)。
中国外務省の秦剛報道官は20日の会見で、西側記者の質問に対し、次々と反論した。イタリア人記者が「ローマ法王が事態の悪化を懸念している」との質問に対し「イタリアの警察官がデモ隊に対して何をしたかを思いだしてくれ」と一(いつ)蹴(しゆう)。ポルトガル記者の捜査状況についての質問に対しては、「ポルトガルで暴動が起きたらどうするのか、(中国)と同じ措置を講じるはずではないか」と反論した
また、米国人記者の「なぜ記者を現場に行かせない」という問いには、「一部の報道が客観的ではなく、不公正だ。そのような報道は現場に行こうか行くまいかと関係ない」と強い口調で述べた。外交省の報道官が記者会見で、このように対決姿勢を見せることは珍しい。
つまり、
本来ならば厳しく批判を加えるべき対象を真面目に追及するのではなく、相手のいい加減な言い分を無批判に垂れ流すことによって、結果的に相手の擁護や問題のすり替えに一役買っているというものです。
本来ジャーナリズムに必要不可欠な良い意味での批判精神など、カケラもありません。
あるのはただ、取材対象に迎合するだけのヘタレぶりだけです。
相手に批判を加えるつもりなどさらさらない、ということかもしれません。
そういえば産経新聞は、以前にも「相手のいい加減な自己弁護を無批判に垂れ流す」というやり方で、本来批判されるべき対象を擁護・宣伝したということがありました。
以下の過去記事を書いた時です。
ネットの暴力を助長する人々(2):産経新聞編
(弊サイト2007年11月30日記事)
http://komichin.blog80.fc2.com/blog-entry-116.html この時産経新聞はJ-CASTとともに、
どう見ても荒らし・炎上などネットの悪質行為を煽っているとしか思えない『炎ジョイ』なるサービスを、今回のチベット騒乱報道と同じようなやり方で擁護・宣伝していました。
私だけでなく多くの人たちが、「産経新聞はこんな荒らし推奨サイトに無批判なのか?」「あるいは積極的に肯定しようというのか?」などという疑念を持ったものです。
もしかしたら産経新聞側は、いざとなれば「我々は積極的に肯定したわけではない。ただ“事実”をありのままに記述しただけ」などと言うかもしれませんが……。
さてここで、チベット騒乱と、それに対するメディアの報道や言論人の反応に話を戻します。
いわゆる「右」とか「保守」とか見られているメディアや言論人の中で、チベットでの中国政府の蛮行をきちんと批判できないのは、産経新聞だけではないようです。
『機会不平等』や『安心のファシズム』などの著者としても有名なジャーナリストの斎藤貴男氏。
先日その斎藤氏が、日刊ゲンダイに連載中の『二極化・格差社会の真相』でも、この問題について触れていました。
2008年4年1日(3月31日発行)の連載文、「チベット騒動で保守系論壇の正体見たり」において斎藤氏は、チベットにおける中国政府の武力弾圧を激しく非難。「北京オリンピックのボイコットによって、中国政府に猛省を促すしかない」とまで言い切っています。
その上で、中国の武力弾圧をきちんと批判しない(できない)日本の保守論壇や政府までも、以下のように批判しておられます(以下、一部を引用、
赤字部分は筆者による引用)。
今回はどうしたのか。サルコジ仏大統領をはじめヨーロッパの首脳や知識人、メディアが開会式の不参加や五輪そのものをボイコットする示唆や提案を重ね始めたのに比べ、何かといえば中国の悪口や侮蔑的な暴言を繰り返してきた日本の指導者層や保守系の論壇からは、ほとんど何も聞こえてこない。
30日に内閣記者会のインタビューに応じた福田康夫首相もまた、中国に対する批判自体を慎重にしたい旨を語ったという。嵐が通り過ぎるのを待っている、というか、いまひとつ煮え切らない米国政府の意向を忖度(そんたく)しかねているような印象だ。
何のことはない、要は冷戦下の旧ソ連と違い、今の中国はゼニになるから当局と事を荒立てたくない。それだけ。
…… ( 中 略 ) ……
所詮はゼニでしか動かない、それ以外の価値観など持ち合わせていないカネの亡者なのだから、あまりでかい面をしないことである。愛国心の伝統文化のとわめきつつ、喜々として米国への同化を進めてきた連中の、なんともつまらない正体見たり枯れ尾花。
ちなみに、中国政府の蛮行について抗議のひとつも言えない日本の福田政権のヘタレぶりについては、先述の浪人氏も以下の記事で批判しておられます。
ダメだ、コイツら…(究極編)
(『ある浪人の手記』2008年3月22日記事)
http://restororation.blog37.fc2.com/blog-entry-1151.html それにしても……疑問が出てきます。
中国などの外国の理不尽に対して、批判や抗議のひとつもできない。
何故、このような情けないことになってしまったのか? しかも、「サヨク」とか「親中派」とか言われる人たちだけではなく、「右」「保守」とか言われる人たちや、日本の指導層と呼ばれる人たちまでも……。
もちろん、日本の政府や一部の自称保守層の卑屈なまでの対米従属ぶりは今に始まったことではないでしょう。
しかし、ここ最近はよりそれが顕著になっているようにも思います。
何故そうなるのか?
結論から言えば、特に小泉政権時代以降に推進されてきた「市場原理主義」と、その結果として進んだ「一億総負け組化(=格差社会化)」が大きな要因となっている。 そのように私は考えます。
というのは、
「市場原理主義」と「一億総負け組化」とは、どちらもその国・共同体の経済の外国への依存度を高め、経済的自立(自律)性を損ねるものだからです。 ゆえに、「背に腹は代えられない」と、その分外国にも気を使わなければならなくなります。
いわゆる「右」「保守」と呼ばれる人たちの中でも、今の自民党主流派など「市場原理主義」と「一億総負け組化」を推進してきた人たちが、経済的に強い立場にある外国(アメリカや今の中国など)に対して強く出られないのは、ある意味当然のことなのです。 結局、外国の理不尽に対してもきちんともの申すことができたのは、「右」「保守」と言われる人たちの中でも、「市場原理主義推進」とは違う立場をとっていた人たちだけ……ということでしょうか。
さて、もう長くなりましたので、ここまでとして続きは次回にしたいと思います。
次回は、「市場原理主義」が「一億総負け組化」が何故、どのようにして国の経済的自立(自律)性を損なっていくのか、という話を、
(2):在日米軍兵士による凶悪犯罪。及び、その背後にある地位協定の問題。
(3):中国・天洋食品の毒餃子事件及び、(責任逃れか証拠隠滅としか思えない)その後の中国側の対応。
の話と共にしていきたいと思います。
……とは言っても、経済を知っている人ならば、次回がどんな話になるか、だいたい想像がつくかもしれませんが(笑)。

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