橋下徹。
テレビで有名な弁護士さんで、今度の大阪府知事選挙に出馬したことで有名な人物です。
しかしながら私は、関西人の一人として、この人物が大阪府知事になることに反対します。
その理由のひとつとして、山口県光市の母子殺害事件の弁護側への懲戒請求をテレビにて呼びかけたこと、及びその呼びかけに応じて多くの人たちが実際に懲戒請求を出したことがあるのです。
実は……おそらく実際に請求を出した人たちのほとんどは知らなかったのでしょうが……
明白な違法行為だと考えられるのです!
しかも、橋下弁護士本人は懲戒請求を出していなかったようなのです。
つまり……。
何も知らない人たちを煽って、リスクや危険の伴う行為をさせておきがら、自分だけは責任逃れができるような安全な場所に居る。 そのようなことを橋下弁護士はやったのではないか、ということです。
このような人物だけは、国家や共同体の指導者にしてはいけません。
そして、人間的にも信用できないと言っておきます。

↑:応援してくださる方は、ランキングにご協力をお願いします。

「師走」といいます。
私は「先生(師)」ではないのですが、多忙でなかなかネットにかまっていられる時間が減りました。
コメントとTBの管理だけで、新しい記事はなかなか書けません。ネタはあるのですが。
より正確に言えば、昼勤・夜勤、日によってはその両方があったりと、なかなかしんどいのです。同じ仕事をするにしても、昼間働いて夜に寝る場合とその逆の場合とでは、疲れ方が全然違います。しかも、そのパターンが不規則に変わるというのは、結構身体にこたえます。
結果、仕事から帰っては「メシ・フロ・ネル」などという
駄目人間の生活パターンにハマっております(滅)。
しかしそれでも……。
とりあえずは、最近思ったことなどを少しずつでも書いていこうと思います。
ここから本題です。
先日、大阪府知事選挙に出馬したという橋下徹弁護士。
結論から言えば私は、
「橋下徹弁護士は、知事など社会の指導的立場にはふさわしくない。それ以前に、人間としても信用できない」と考えます。
もっと言えば、
「国家や共同体の指導者の地位に就けてはいけない人物」ですらあると、私は思うのです。
関西人の一人として、「彼のような人物が大阪府知事になるかもしれない」という事実は私にとっては由々しきことです。
何故、そこまで言うのか。
それは、山口県光市の母子殺害事件において、テレビにて被告人弁護団に対する懲戒請求を出すように視聴者を煽った一件(そしてにおいて、「この人は駄目だ」と考えたからです。
一応断っておきますが、私は死刑廃止論者ではありません。山口県光市の母子殺害事件に対しては、「極刑もやむなし」という考えです。少なくとも今のところは
(注1)。
また、安田好弘氏など、被告人弁護にも携わった人たちの言動にも、個人的には賛同しかねる部分があります。
しかしそんな私から見ても、橋本弁護士の言動は問題だと思うのです。
好意的に解釈しても「やりすぎ」ではなかったか、と思うのです。 数を頼んで「抗議」とか「懲戒請求」を送りつけ、やられた側はそのたびに懲罰を受ける。
こんなことが普通にまかり通るようでは、大変なことになります。
特定の勢力や団体が、自分たちに不都合な、あるいは自分たちの気に食わない言動や活動を潰すことが可能になってしまいます。どんな問題でも、「声の大きい者の勝ち」「多数で文句を言った者の勝ち」となってしまいます。
また、近代法治国家においては、いかに卑劣で悪辣な凶悪犯罪者であっても、きちんとした法的手続きを経た上で刑罰を与えられなければなりません。
山口県光市の被告弁護側を叩く意見の中には、被告人が裁判を受ける権利そのものの否定につながりかねないものも見られます。
ここに私は、違和感と一抹の不安を抱いてしまうのです。
弁護側を批判することは自由です(私自身も弁護側に批判的な発言をしたことがありますし)が、その権利や活動自体まで否定してしまうのは、いかがなものかと思います。
が、実は……。
この懲戒請求、及び橋下弁護士の煽動行為(注:あえてそう言わせてもらいます)には、より重大な問題があったのです。
今回のような安易な懲戒請求は違法行為にあたる可能性が大、つまり刑罰の対象になるかもしれないということです。
さらに問題なのは、橋下弁護士自身が、そんな重大なことを事前にきちんと説明していなかったということ、そして言いだしっぺの自分が懲戒請求を出していないということです。 これについての詳細は、実際に専門家の方が解説されている記事がありますので、以下に紹介します。
橋下弁護士の口車に乗って光市事件弁護団の懲戒請求をしたあなた、取り下げるべきだとアドバイスします!
(「情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)」2007年6月16日記事)
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/0aae66140bb428ac787e6169890fd64b 以下、一部を引用させていただきます(注:
赤字部分は筆者による色付けです)。
橋下弁護士は、懲戒請求をしても、光市の弁護団が懲戒されるとは思っていないはずだ。もし、本気でそう思っているなら、弁護士失格だ。弁護人は、一見、不合理だと思われることでも、被告人がその主張をしてほしいと望むのであれば、法廷で主張することもある。そのこと自体が懲戒の対象となるならば、弁護活動に多大な支障を来すことになる。
おそらく、橋下弁護士に煽られて懲戒請求した人も、本気で懲戒されるとは思っていないだろう。軽い抗議のつもりで懲戒請求しているのだろう。
そのような懲戒請求は、明らかに違法な行為であり、光市母子殺人事件の弁護団が損害賠償請求をしたら支払い義務を負うことになるだろう。
そして、多くの懲戒請求者はそのことを知らないまま、懲戒請求したのだろうが、知らなかったと言って、責任を免れるわけではない。
もちろん、上記最高裁判決に触れることなく(?)、懲戒請求を煽った橋下弁護士の責任が大きいのだから、直ちに懲戒請求を撤回すれば、法的にも損害賠償義務は軽減される。
専門家として、直ちに、懲戒請求を撤回されることをお奨めします。
実際に懲戒請求した方々に聞いてみたいのですが、「違法行為である」「逆に処罰の対象にもなりうる」というリスクを承知・覚悟の上でされたのでしょうか?
もしそうならば、こちらから何も言うことはないのですが……。
やはり、橋下弁護士がそれを視聴者にきちんと説明していなかったのが一番問題でしょう。
うっかり見落としていた、説明を忘れていたというのならば、法律のプロとして、また公共の電波で発言する者として、あまりにも無責任で、重大な過失です。
わざと説明しなかったのだとすれば、さらに問題です。
もしそうならば、「何も知らない人たちを煽って、リスクや危険の伴う行為をさせた」ことになります。 おそらくは後者ではないか、と私は思います。
何故なら、
言いだしっぺの橋下氏自身が、懲戒請求を出してないからです。
これは、「何も知らない人たちを煽動して、“鉄砲玉”として利用しておきながら、自分だけは傷ひとつ負わないような安全な場所に居る」という、非常に卑劣な行為です。 そういえば、橋下氏は徴兵制の復活も主張しているそうですね。
まあ、それ自体は(その賛否はともかくとしても)ひとつの意見と見ていいでしょう。
しかし、橋下氏のような人物がそういう主張をするとなれば、非常な違和感を感じざるを得ません。
もしかしたら……。
仮に、国家のリーダーとなった橋下が国民を煽動して始めた戦争によって、日本が重大な打撃を受け、さらにその戦争責任を追及されることになったとしましょう。そして、橋下氏が部下や末端の兵士、及び国民にだけ責任を押し付けて、自分だけは逃げる。
冗談や誇張でなく、そう遠くない将来にこんなことが起こりうるかもしれない……。
大阪府知事くらいでは、戦争を起こすことも、徴兵制度を復活させることはできないでしょうが、大阪府知事のキャリアを足がかりにした橋下氏が国政に進出し、そこで重要な地位を得る可能性もありえます。現在38歳という年齢では、それも考えられないことではありません。
また第二次大戦後、末端の兵隊さんに中に、ほとんど上層部の責任を押し付けられるような形で、BC級戦犯として処刑されいった方々がいる。そのような不条理な話もありました。
そのようなことが再びあってはなりません。
そして、そのような人物を指導者にしてはいけないというのが、歴史の教訓でもあります。
ところで……。
最近でも、「他人にだけリスクや危険を負わせて、自分だけは安全な場所に居て責任逃れを図る」という、どうしょうもなく卑劣な人物の例が、もうひとつありました。
保身と責任転嫁に必死な『反日ブログ監視所』管理人
(弊サイト2007年12月21日記事)
http://komichin.blog80.fc2.com/blog-entry-117.html このようなタイプだけは、国家や共同体の指導者に選んではいけない!
それどころか、人間的にも信用してはいけない!
このことは、何度強調しても、しすぎることはありません。
【追記:2007年12月22日昼にて】 午前中に
『言ノ葉工房』さんの2007年12月18日記事をチェックしたら、
『市民ら350人、橋下弁護士の懲戒請求へ 光市事件』という題で、この件について触れられていました。
17日に提出される懲戒請求書によると、元少年の主張を弁護団が擁護することは「刑事弁護人として当然の行為」と指摘。発言は弁護士法で定める懲戒理由の「品位を失うべき非行」にあたるとしている。
弁護士への懲戒請求は、弁護士法で「何人もできる」と定められている。請求を受けた弁護士会が「懲戒相当」と判断すれば、業務停止や除名などの処分を出す。
橋下氏は、元少年の弁護団のうち4人が9月に起こした損害賠償訴訟での答弁書で「発言に違法性はない。懲戒請求は市民の自発的意思だ」と反論した。
おいおい。
どういうつもりだったにせよ、煽るだけ煽って、「発言に違法性はない。
懲戒請求は市民の自発的意思だ」とは……。
やはり橋下弁護士は、私が思っていたとおり、卑劣で無責任、人間としても信用できそうにもない人物のようです。 大阪府民の皆様。
どうか、こんないい加減な人物を知事に選ばれることのないように、お願いします。

↑:橋下徹弁護士を大阪府知事にすることに反対の方は、ランキングにご協力をお願いします。
また、「他人を煽っておきながら、自分だけは安全地帯に居るという人物だけは許せない、信用できない」と思われる方も、ランキングにご協力をお願いします。
(注1): これに関しては、弊サイトの常連読者でもあるkaetzchenさんなど、異論を述べられる方もいます。
また、弊サイトがリンクさせていただいている『気まぐれな日々』さんも、過去エントリーにて「被告は極刑にすべき」という風潮に対して批判的な見方をされています。
参考までに紹介します。
言論が一方向に振れる時 ~ 山口県光市母子殺人事件をめぐって
(『気まぐれな日々』2007年8月22日記事)
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-430.html

- 関連記事
-
スポンサーサイト
テーマ:大阪府知事選
- ジャンル:政治・経済