「悪質荒らしは無視が一番」とかよく言われます。
しかしながら、実際にはこれが意外と難しかったりするのです。
ネット工作員や熟練した悪質行為の常習者などは、無視されることも想定した上で「ヲチ・攻撃対象が無視しにくい状況」を巧みにつくりあげていきます。 そのため、無視しようとは思ってみても、つい相手をして、向こうのペースにはまって、泥沼に引き込まれた(あるいは引き込まれそうになった)という場合もあるのです。
前々回と
前回とに続いて今回も、あなたに無視をやめさせ、巧妙に泥沼に引きずり込もうとする悪質行為者の手口と、それに対抗するために必要な手段や方法・心構えについて話したいと思います。
今回を含めた3階に渡って、それらの手口のうち「心理作戦」というものについての話をします。
悪質行為を行う者たちは、ヲチ・攻撃対象に無視をやめさせるため、あの手この手で相手の心を揺さぶってきます。 釣り、挑発、ハッタリ、恫喝、あるいは味方や親切な第3者を装って近づくなど。
時には、自分自身ではなくお仲間にやらせて、相手を自分たちの土俵に巻き込もうとします。
さらには、まるで探偵か諜報機関のごとく、ヲチ・攻撃対象のことを徹底的に調査・研究することもあります。
相手の性格。趣味や好み。文章の個癖。対象がよく訪れるサイト。相手が他サイトのコメント欄で行った発言まで細かくチェックするような念の入れようです。
そこまでして、相手の性格や弱点などを分析して、相手を揺さぶり、無視をやめさせ、ダメージを与えようとしてくる。
こんな高度で手の込んだことをしてまで、ヲチ・攻撃を行うというネット工作員や悪質行為常習者の手口のことを、「心理作戦」と私は読んでいます。
今回と次回、及び次々回にわたって、この心理作戦についての話をしたいと思います。

↑:応援してくださる方は、ランキングにご協力をお願いします。


本来ならば、今回でこのシリーズを終わる予定だったのですが、いざ書き始めると3回分の長さになってしましました(汗)。
これも私の計画性の無さゆえなのですが……。
そろそろ他の話題に移りたいという気持ちもあります。
が、せっかくここまで来た本シリーズを、中途半端なまま中断するのもイヤだという気もします。
というわけで、
前々回と、
前回の続きです。
「荒らしなどの悪質行為には無視が一番」とは言いますが、それが意外と難しいのです。
何故なら、悪質行為を行う者たちも、あの手この手を使って、ヲチ・攻撃対象が無視しにくい状況をたくみに作り出すからです。
その手口は、大きく分けて次の3つです。
(1)物量作戦
(2)人質作戦
(3)心理作戦 他にもいろいろな手口、さらに複雑で巧妙な手口もあるようですが(少なくとも私の知り限りでは)、そのほとんどが上記の3つに大別できます。
今回より、(3)の心理作戦について論じます。
手口その3:心理作戦・前編 荒らし対策を考える時、または荒らしの現場などを見た時、よく思い出す話があります。
以前、水木しげる先生
(注1)の本で読んだことのある、デュルガーという妖怪の話です。
デュルガーとは、イギリスのある地方に現れるという小人の姿をした妖怪です。
いつも人間に対して悪意を抱き、隙あらば生命を奪おうとする、非常に邪悪で危険な妖怪です。
そのデュルガーが旅人を罠にかけて生命を奪おうとした話が残っています。
昔、ある旅人が夜道に迷いました。
困り果てていたところに、一軒の小屋が見つかり、旅人はそこへ一夜の宿を求めて入っていきました。
その小屋の中にデュルガーが入ってきました。
デュルガーは、旅人に火の弱くなった暖炉に薪をくべるように指示しました。
しかし旅人は、デュルガーが邪悪な妖怪であることを知っていたので、警戒して無視しました。
デュルガーは、一本の薪をへし折り、「おまえさんにはできないじゃろう」と言って旅人を挑発しました。
しかし旅人はそれでも、黙って無視し続けました。
デュルガーはなおも、旅人に対して挑発や罵倒を行いましたが、旅人はひたすら無視を続けました。
そのうちに、夜明けを告げる雄鶏の鳴き声が聞こえてきました。
すると小屋も、デュルガーの姿も消えてしまいました。
小屋はデュルガーが作り出した幻だったのです。
そして旅人がいた場所は……断崖絶壁の間際だったのです。
もし、デュルガーの挑発にのって身を動かしていたのなら、旅人の生命はなかったでしょう……。
お気づきの方もいるとは思いますが、この話……荒らしの手口とか、荒らし被害とかの話に似ているとか思いませんか?(笑)