魔法の呪文といえば、『ゲド戦記』、『ハリー・ポッター』や『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』など、架空のファンタジー世界だけのものだと、あなたは思っていませんか?
いえいえ、魔法の呪文は現実の世界……この現代にも実在するのです。
今回は、現代にも遺る恐るべき魔法呪文のひとつ、「ソレハ・ジコセキニン・ダ」を紹介しましょう。

*ソレハ・ジコセキニン・ダ この呪文は、主に権力者や金持ちのための、守護と呪いの効果を持つ強力な魔法呪文である。元々は金持ちや権力者(そして詐欺師)などが身を守るために使用する呪文であったようだが、その側近や信者・支持者などが自分の主を守るために使用する場合もある。近年の日本社会では特に、後者による使用の方が増えているようだ。
何か問題が起こって、保護(守護)の対象とすべき人物、もしくは組織が他者や世間の非難にさらされ、その地位や名声などが危機にさらされそうな時に、この呪文を唱える。
すると、それまで保護対象に向けられていた批判や非難は、たちまち保護対象に向けられなくなってしまう。逆に今度は、それまでの批判や非難が保護対象を批判・非難していた側の人や、保護対象の恣意や過失により不利益を被った人などに向けられるようになる。そのようにしてスケープゴートにされてしまった人たちには、「多数の抗議電話や匿名の手紙やメールが届く」「連日マスコミやネット掲示板で叩かれる」などの災厄が降りかかり、仕事や日常生活にも重大な支障をきたすようなダメージを被ることになる。
その代わりに保護対象となった人たちは、本来こうむったであろうダメージを受けずにすむ。
近年の日本社会では、政権が危機に陥りそうな度にこの呪文が使用されたようだ。
失業者や非正規雇用者、ワーキングプアなどが増えようとも。
生活苦に陥ったり、それによって自殺する人が増えようとも。
政府が「非戦闘地域である」とした国で邦人が誘拐・殺傷される事件が起きて、政府の嘘と無責任がバレようとも。
全てこの呪文の効果によって、スケープゴートになった人たちの犠牲と引き替えに政権が守られ、めでたしめでたし。まことにありがたい話である。
また、「権力者や金持ちが身を守る」という以外の効果と使用方法もあるようだ。
かつては堅実で貯蓄好き(だったらしい)日本国民を、ギャンブラーのように変えてしまうという効果も、近年見られている。
この効果によって、それまで持ち金を貯蓄にを回していた人が、高いリスクを伴う投資や金融商品など(時には、実際には利益がほとんど見込めない、詐欺同然の儲け話にも)に金を回すようになる。
そのため、金融・証券業界関係者などにもこの呪文は重宝されているらしい。
もちろん、元々はスケープゴートを立てて使用者(及び使用者の主人)を守護するための呪文であるから、何か問題があっても大丈夫。本来は使用者たちが受けるであろうダメージは、金を出した顧客(「カモ」とも呼ばれる)が受けるので、使用者たちはやはりここでも安泰なわけである。例えば、勧めた投資などが失敗して、カモ……いや顧客が大借金を背負ったり、破産の憂き目を見ることになっても。
ここでもやはり、万事めでたし、めでたし。まことにありがたい話である。

余談: 今回のエントリーは、以下の記事を読んで思いつきました(笑)。
参考までに紹介します。
安倍内閣がプアなばかりに・・・ (2006.12.12 17:21)
http://rankeyblog.blog68.fc2.com/blog-entry-392.html「ワーキングプアⅡ」(3)…クレームを言ふお方のメンタリティー (2006/12/13 13:08)
http://dr-stonefly.at.webry.info/200612/article_9.html「ワーキングプア」に抗議殺到???ーーー分割統治されてはいけない!(2006/12/14 1:42
)
http://blogs.yahoo.co.jp/hiroseto2004/43228591.html
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